ごきげんよう。
綾崎です。
2019年7月から2020年7月までの1年間、温泉むすめの120を超えるキャラクターたちのお誕生日を、日々イラストでお祝いしてきました。
新規で発表されたキャラクターでタイミンングの合わなかった2人はまだ描けていないのですが、ひとまず一周したので一区切りとして終わりにしました。
そこで、この一年で得たものを、イラストメイキングという形で記録しておこうとお思います。
1年という長いスパンで描くにあたって、いくつか自分に決めていたルールがあります。
できるだけみんなを公平に描けるようにということと、1年通してやりきるために極力考える時間を減らすためのルールがほとんどです。
例外はスクナヒコ様とアリアさんですね。
この2人だけちょっと特別でした。
ルールを決めてやった事で、手順や特徴の拾い方に慣れ、迷う時間は回数を重ねるごとに減りました。
ラフから完成まで、最初2時間ほどかかっていたものが、最終的には1時間ほどで描けるようになりました。
必ず笑顔というのは、せっかくの誕生日だから笑った顔を描きたいと強く思い、どんなに公式絵が無表情な子にも笑ってもらいました。
途中で消えたルールや追加したルールもありますが、その辺りはメイキングと一緒にご紹介します。
今回は、最後に描いた湯郷未彩ちゃんの絵を中心にご説明します。
まず最初に、ラフをクロッキー帳に描きます。
二次創作という事で、元々の色の特徴も強いので、多少の違和感は線画作業で直せばいいや、塗ればそれっぽくなるやという考えの元、表情などはざっくり似せればいいや程度の気持ちで描いていました。
ただ、忘れちゃならないなという特徴はしっかりラフの状態で入れるようにしていました。
アホ毛とか。
おくれ毛とか。
眼鏡とか。
髪飾りの数とか。(形はデフォルメして色でカバーしてました)
そんなラフはこんな感じ。
完全に手癖で描いてます。
だいたい、クロッキー帳に3~6人くらいを並べて描き、写真に撮ったものをラフとして使用します。
最終的には、1人3~5分で描けるようになりました。
最初はデフォルメ練習も兼ねていたので色々手探りなところもあったのですが、デフォルメするというルールは途中で消え去りました。
ですが、髪の毛が長い子は正方形にした時に収まるくらいの長さに調整していました。
腰くらいの長さの髪の毛の子も、こんな感じ。
ラフができたら、線画からはデジタル作業です。
最初の1~2ヶ月くらいはPCで描いていたのですが、途中からはiPadを使うようになりました。
2枚だけアイビスペイントを使ったイラストもありますが、その他は全てPCかiPadで、どちらも使うソフトは、Clip Studio Paintです。
ラフを写真にとり、クリスタで開いて、キャンパスを正方形に設定します。
平均して1200×1200(px)/72dpiくらいのサイズでした。
写真を60%くらいの透明度に設定し、上に新規レイヤーを重ねて線画を起こしていきます。
ブラシは、鉛筆ツールの「粗い鉛筆」のデフォルト設定で、6~7pxを使用。
色は#000の黒です。
この後色ぬりをする際にバケツツールで塗りたいので、線画は極力隙間なく描くよう心がけていました。
最初の方は、手描き感を出したくてバケツではなくブラシで塗っていたのですが、時間がかかる方法だったので、このルールも消滅しました。
レイヤーは大体3~5枚くらい。
顔のパーツ
髪の毛
服飾
嵐山紫雨ちゃんのように装飾の多い子や細かい子は、髪飾りなどでレイヤーを分けて描く場合もありました。
ですが、塗る上では顔パーツとその他が分かれていれば支障はないので、描いた後サイズとか位置を調整して問題なければ、顔パーツ・髪の毛・その他の3枚にまとめてしまうことが多かったです。
できたら、ラフのレイヤーを消して、線画が完成です。
まず、色ごとにレイヤーを分けながら、バケツツールで色をおいていきます。
肌や髪の毛が塗りやすいよう、この時は顔パーツの線画は非表示にします。
(みさちゃんは口の所の色消しちゃってます…)
バケツでは塗りきれない細かい部分は、ペンツールの「Gペン」で丁寧に塗っておきます。
塗り分けが終わったら、各レイヤーの上にクリッピングレイヤーを作成しながら塗り込んでいきます。
塗り込みは、特筆していない部分は全てブラシツールの「塗りなじませ」を使用します。
襟やリボンにラインや柄がある子は、少々簡略化させながら、鉛筆ツールの「粗い鉛筆」で描き込んでおきます。
色数が多かったり、複雑な模様の子は大変でした…。
肌の影の色は、公式のイラストを参考にしながら気分で選んでいました。
光源は大体左上。
首元と前髪の影をざっくりと塗ります。
眼鏡の子は眼鏡の影も忘れずに。
仕上げに、影のレイヤーの上にもう1枚クリッピングレイヤーを追加し、頬の赤みを追加します。
この時のカラーは、肌の色や影色に関係なく概ね薄めのサーモンピンクです。
最後の方数枚は、赤みを追加した後に同じレイヤーに同じ色で「粗い鉛筆」に切り替えて斜線を追加しています。
影を描き込んでいくのですが、髪色にグラデーションや差し色がある子はクリッピングレイヤーを一枚追加して最初にその色を重ねて地の色を作ります。
その上にさらにクリッピングレイヤーを重ねながら塗り込んでいきます。
まず、首回りと、毛束の影、髪飾りの影を入れます。
髪の毛の影は、基本的には地の色より彩度が高く明度の高い色を置いていきます。
白髪や黒髪の子は彩度変わらず明度の低い色を使います。
グラデーションのある子は、彩度を下げ、明度を上げた色を乗算レイヤーで重ねます。
その後、ツヤ感を出すイメージで色を置いていきます。
同じレイヤーです。
光が当たりそうな、前髪の少し上の方と毛束の中間くらいが主です。
影を入れたら、新規加算(発光)レイヤーを追加してクリッピングさせ、ハイライトを入れます。
公式絵でよっぽど特徴のある子以外は概ね白を重ねます。
ブラシでジグザグと描き、伸ばしながらなじませます。
差し色がある子は、白で入れてから、レイヤーの透明度ロックをしてブラシで色を重ねていました。
最初の頃は下の画像のようにもっと簡略化していましたが、どこかでルールが変わりました。。。
最後に、更にもう1枚オーバーレイレイヤーを追加してクリッピングさせ、肌にかかっている部分に肌の影色より少し明るいくらいの色を載せます。
クリッピングを解除して通常レイヤーにするとこんな感じ。
髪の内側などの反射光の色が特徴的な子は、最後にブラシでうっすら反射光を入れることもありました。
この子は全キャラ中もっとも髪の毛の作画コストが高かった子……
白目用のレイヤーを作成し、その上に黒目用のレイヤーを作成します。
黒目の色は公式絵を参考に。
このレイヤーはクリッピングさせていません。
黒目の方のレイヤーにクリッピングレイヤーを追加していきながら塗り込みます。
最初は公式絵に寄せてそれぞれ塗り分けたりもしましたが、最後の方はみんなおんなじ塗り方になりました。
黒目の字の色より濃い色を上半分に入れ、真ん中に瞳孔を描き入れます。
加算(発光)レイヤーを追加して、反射光を入れます。
目の下の方に丸く広く、目の上の方に淵に沿うような形で入れています。
最後にハイライトに白を「粗い鉛筆」に切り替えて入れます。
ハイライトの位置は、公式絵を参考にしている時が多かったです。
塗りはこれで完了です。
最初にも描きましたが、塗り込みは肌と髪と目だけ。
服にも影を入れていたものもありますが、数枚だけです。たぶん。
文字は、iPadで描くようになってからは、概ねペンツールの「カリグラフィ」を使っていました。
できるだけ人物に被らないよう隙間に、名前とHappy Birthdayの文字を入れます。
色は全体の雰囲気を見つつ、服飾品などの差し色か公式ページの背景色を参考に選んでいました。
筆記体だったり、大文字小文字の差があったりは、そのキャラクターのイメージに合うものを考えて変えていました。
また、Twitterで公開する時、正方形の画像は横長に切り取られてサムネが表示されますが、その際に文字に合わせてトリミングされるということで、途中からはできるだけ顔の横に文字が来るように調整していました。
最後の仕上げに、文字を入れた上で周りの余白を埋めるように、少し装飾を加えて完成です。
基本的には、文字と同じようにカラーを選び、文字と同じペンツール「カリグラフィ」でお花を描き入れていましたが、イラストの範囲には入っていないスカートなどにあしらわれている柄を入れたり、プロフィールからイメージしたモチーフを描くこともありました。
未彩ちゃんは、スカートやカバンにある柄を拾いました。
普通のお花はこんな感じでした。
最終的なレイヤー構成はこうなります。
ここまでご覧いただきありがとうございます。
温泉むすめというコンテンツが好きで、絵を描くことが好きで、これだけたくさんのキャラがいるのだから、全員を描いてみたいという思いから、突発的に始めたお誕生日イラストの制作。
何より全員を描くことを第一に、こだわり過ぎず、でもその子らしくを意識して描き続けました。
120を超えるキャラクター達。
日を重ねるごとに見ていただける方の数も増え、温泉地の方などから反応をいただいく事もあり、モチベーションを維持して楽しく一年やりきることができました。
本当にありがとうございました。
最初の方にも書きましたが、キャラクター追加のタイミングでまだお祝いしたことのない子が2人いるので、その子達はまたお誕生日が来たら、イラストでお祝いできたらと思っています。
そして、今後もっと色々なイラストを描いていけたらいいなと思います。
それは、温泉むすめも、他のコンテンツも、オリジナルも、です。
本ブログとTwitterを中心に掲載していくつもりなので、ご覧いただけましたら幸いです。
日常のつぶやきと温むす誕生日イラスト (@tomoe_ayasaki)
イラストとブログ (@tomoe_Q)
よろしくお願いいたします。